展覧会ニュース

《 龍神Ⅱ 》(部分)2015 年 軽井沢千住博美術館蔵

毎日新聞の作品紹介④ 「三春の瀧桜」

■生命力を感じる枝垂桜

 画面を埋め尽くす枝垂桜(しだれざくら)。わずかに見える青空のもと、巨木らしき桜の全貌に想像が膨らむ。
 本作は、福島県の三春町にある推定樹齢1000年を超える「三春滝桜」がモチーフとなっている。2013年、東京で開催されたアートプロジェクト「想い桜」のために制作された原画である。下絵制作のため、前年の12月に同町を訪れた千住さんは、「私は桜を描きに来たんじゃない」といい、芽吹く前の枝の様子をスケッチにおさめ、その後ニューヨークで完成させた。
 外見の美しさというよりも、桜の生命力とその桜を見守り代々受け継いできたその土地の人々との繋がりに惹かれたという千住さん。華やかなピンク色に染まった大樹からは、悠久の時を生きる生命の神秘が垣間見えるようだ。(北九州市立美術館学芸員 河村朱音)

「三春の瀧桜」2013年、軽井沢千住博美術館蔵

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