展覧会ニュース

《 龍神Ⅱ 》(部分)2015 年 軽井沢千住博美術館蔵

毎日新聞の作品紹介⑤=最終回 「朝」 

■心潤う 清純な空気

 金色の空は靄(もや)がかり、細密に描かれた木立には数頭の鹿が佇む。全体的に淡い色調は、幻想的でロマンチックだ。
 千住さんはパブリックな空間に作品を設置することへの関心から、これまで数々の公共施設での壮大なアートプロジェクトへ積極的に取り組んできた。「芸術とは、イマジネーションのコミュニケーション」であるという千住さんにとって、公共の場は作品と人々が出会い、多くのコミュニケーションが生まれる場といえる。
 本作は、三部作のうちの一作にあたる。当時、新設されたばかりの羽田空港旅客ターミナル内に展示された。多くの人が行き交う空港は、出会いと別れを繰り返す場所ともいえる。作品から漂う清純な空気は、慌ただしい人々の心に潤いをもたらすようだ。(北九州市立美術館学芸員 河村朱音)=おわり

「朝」1994年、日本空港ビルデング株式会社蔵

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